第29章 ウィンターカップ〜桐皇VS誠凛〜前編
火神「さぁな、知るかよ。そんなもん……人間そんな単純じゃねーだろうし、俺達が勝ったところでアイツが変わるかどうかは分からねー。ただ負けたらそれこそ今と変わらねー。俺達に出来るのは勝つために全力でプレーすることだけだろ?」
そう言って大我はスタスタと歩いて行ってしまった
『そうだね……でも勝ったら……きっと、きっと良い方向に向かうって……私は思うよ』
私は小走りで大我の横に並ぶ
その後ろでテツヤ君が小さく微笑んで「はい」と言ったことは知らぬまま
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No side
会場は盛り上がりを見せていた
若松はふと後ろを見ると、汗だくの青峰がいた
その口元はニヤリとした笑みが浮かんでいた