第27章 誠凛VS霧崎第一
大我「凛」
『なぁに?』
大我に呼ばれ私は聞き返す
大我「あの一条って奴…いったい…」
『……とても寂しい子…』
大我「寂しい…?」
大我の言葉に小さく頷く
『暴力と権力でしか愛情を示す事が出来ない…とても可哀想な子』
大我「なら、なんで…お前は…」
『あのね…多分あの子は誰でも良かったんだと思う』
姫華は私じゃなくても良かった
ただ見てくれる人が欲しかった
甘えさせてくれる人が欲しかった
優しくしてくれる人が欲しかった
『私の所為であの子は狂ってしまった』
大我「それは…」
大我の言葉に首を振る
『この命を賭けたのも、戻って欲しかったから』
全てを元に戻す事は出来ない…けど、少しでも狂ってしまう前に戻ってくれるなら…そんな甘い考えの私