第26章 少女の過去〜木吉との出会い〜
誰が見捨てられようか?
『っ…今…いえ、今日の話は無かったことにしましょう』
まるで誰かに監視でもされているかの言い方
鉄平「なんで!」
『お互い、今日は…私の進路の事で話をしていた。それだけ』
その瞳には光が灯ってなかった
『私…もう…誰も傷つけたくないから…』
自分はまるで傷付いてもいいと言う言い方
凛は話はしてくれたが、それ以上突っ込む事を許さない
自分で自分を罰して、辛くても泣き声一つ上げず、耐えて苦しんでる
少しでも力になりたいと思うのに、許してくれない
『私は大丈夫です』
そう笑いながら…裏ではどれだけ泣いたんだろうか…
そう考えるだけでギュッと心臓が痛む
甘えるとか、助けてもらうなんて事はきっと凛の中にはないんだろう
鉄平「誠凛高校は楽しいぞ!」
俺が言うと少し嬉しそうに、でも何処か辛そうに笑った
誠凛高校へ入学出来た事はメールで知った
まだ凛は苦しんでるのか…それを思うと本当はすぐに駆け付けたい気持ちになった
それも出来ず、歯痒さでどうにかなりそうだった