第26章 少女の過去〜木吉との出会い〜
『ありが……と、ござい……ます』
ボロボロとまた、凛の目から涙が流れ落ちる
木吉「凛は泣き虫だな」
『……みたいです』
俺が笑うと凛も涙を拭き、小さく笑った
それは綺麗で優しい笑み
『でも、何かあれば、一番に誠凛の皆さんを守ってください…!』
私は良いからと凛は微笑む
木吉「え……」
『お願いします』
凛はやっぱり自分よりも大切にする奴らしい
木吉「……分かった」
必死な凛に根負けし、頷くと安堵の笑みを浮かべた
『ありがとうございます……』
本当は全て支えたかった。けどそれを凛は許してくれなかった
自分より他人を大切にする小さくて、儚い少女