第26章 少女の過去〜木吉との出会い〜
木吉「凛……!」
俺は凛の顔を見て驚いた
酷く辛そうな、悲しそうな、苦しそうな顔して泣いていたから
『鉄平さん……私、間違ってないよね……?』
木吉「あ……いや……」
『私……守れてるよね……?』
この小さく細い背中に何が乗っているのか、どうしたのか俺には分からず、何も言えずに黙っていた
『っ……私、皆といたかった……』
ボロボロと流れる涙は綺麗で儚い
木吉「っ……」
『でも……でもね……いられなく……なっちゃって……』
ゴシゴシと目を擦る凛の腕を掴む
木吉「腫れるから……」
そう言うと凛は少し下を向いた