第26章 少女の過去〜木吉との出会い〜
木吉 side
病室に戻ると言って行ってしまった凛は、何処か弱々しくて、儚くて、消えてしまいそう
心配になった俺は凛の後を追いかけ、凛の病室に行く
『っ……』
ドアから凛の啜り泣く声が聞こえてきた
『これで………良かったんだ……』
何が良かったのか
凛がどんな選択を強いられたのか
俺には分からない事ばかりで
『っ……くっ……』
たった一人、泣く凛はどんな気持ちなのか、それすらも分からない
木吉「凛……!」
俺は意を決しドアを開け、ギュッと後ろから凛を抱き締めた
『っ……!』
ビクリッと震え、逃げようとする凛を必死に捕まえる