第17章 少女の過去
ある日、私はいつも通りにドリンクを作っていた
「雨月さん…」
『?どうしたの?』
暗い表情の一条さんに近付く
「何で……見てくれないの?」
『え……?っ!』
ザクリッと一条さんは自分の手を切っていた
『一条さん!?血が…』
「ふふ……うふふ…」
私は訳が分からないまま、一条さんの手を付かんで部室に入った
『大丈夫?なんで…こんなこと…』
消毒をしてガーゼを当てて包帯を巻いた
「だって……見てくれないでしょう?」
見てくれない?
何を誰を?
私は首を傾げる
「雨月さんはキセキの世代の人達ばかりに目を向けて、私に全然目を向けてくれないんだもの…」