第35章 灰崎登場
大我「なぁ、お前もアイツと知り合いだよな」
『え……灰崎君?』
大我「おう」
凛は小さく頷いた
『……うん』
大我「そうか、大丈──……!」
火神は凛が微かに震えているのが分かってしまった
大我「凛!」
ギュッと抱き付かれた凛は一瞬ポカンとする
『大我……?』
大我「我慢すんな」
火神の一言にポロッと凛の瞳から涙が流れた
『ゴメッ…ホント…何でも…っ…ないんだよ……!……でも少し、少しだけこのままでもいい?』
大我「あぁ」
声が震えて、泣いてる事がすぐに分かるのに、凛は決して泣き声を上げなかった
ただ静かに声を抑えて、火神にしがみつくように抱き付いていた