第34章 ウィンターカップ〜陽泉VS誠凛〜
それを言うと大我はハッとしたように見つめてきた
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外にはアレックスと氷室の姿が
アレックス「惜しかったな、タツヤ」
氷室「あぁ…けど今はスッキリしてるよ。すまない、アレックス…。俺はあの時…」
アレックスはフッと笑う
アレックス「気にするな。試合前に選手が気が立ってるなんて良くある事だろ?それより良いゲームだったよ。わざわざ日本まで見に来た甲斐があった!」
氷室「アレックス…」
氷室は小さくアレックスに笑いかけた
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『あの時の大我を否定するつもりはないよ…でも、兄弟であることと、ライバルであること。その両方であり続けることはそんなに難しいのかな?』
大我は小さく考え込んでから、チャリッと手のリングを取った
大我「っ…」
『え?』
と思ったらそのまま手を掴まれて一緒に駆け出す
『!?たっ大我…!』
大我「悪い!来てくれ!」
何で!?
そう思いながらも何処かサッパリした大我を見て、まぁいいか…と思う私はかなり大我に甘いと感じた