第12章 耳と尻尾【瀬尾遼介編】
バイト先に現れた私の彼氏は、
いつもと違った。
何故か、猫耳と尻尾が生えている。
しかも、可愛い。
夏希「…遼介、大丈夫?酔ってる?」
遼介「いや、大丈夫だ。」
夏希「…なにがあったの?」
気を緩めればきっと笑ってしまうから、ぐっと堪えて質問をする。
遼介「いや…、なんか、生えた。」
夏希「…生えた?耳と尻尾が?」
そんな非現実的な事が有り得るのだろうか。
何度も何度も目を擦るが、
やはり耳と尻尾は変わらない。
あ、そっか。ここはもう非現実的な場所だ。
夏希「それ…取れないの…?笑笑」
もう、笑いは堪えきれなかった。
遼介「いや、お題?を成功させれば取れる………。ってか、笑うな!」
遼介のデコピンを食らった。
夏希「んん、じゃあ、お題頑張って!」
もうバイトのシフト交代だったため、
裏口から店内に入ろうとしたら、
遼介に止められた。
遼介「…お題を成功させるには、お前が必要なんだ。夏希」
夏希「…え?」