第11章 耳と尻尾【御子柴実琴編】
夏希「…どした?御子柴、その耳と尻尾…。」
インターホンが鳴り、外に出てみると、意外な格好に、吹き出してしまいそうになる。
御子柴「お、俺だって好きでこーなってる訳じゃねぇよ!」
夏希「へぇ、じゃあ、罰ゲーム?」
御子柴「それも違ェ!あのな、実は…」
御子柴の丁寧な説明で、
よく理解できた。
夏希「…で、その相手がいないと成り立たないのか。」
御子柴「そうだ。だから、夏希!手伝ってくれ!!」
夏希「何で私…?千代とかいるよ?」
頼まれたのが嬉しくて、つい意地っ張りになってしまう。
御子柴「いや、佐倉は野崎でいっぱいだ。」
夏希「あぁ、なるほど。」
察しはついた。
夏希「それで、好きな人のいない私が、か。」
御子柴「後、女子の中でも一番話しやすいからな。」
そういう誉め言葉にいちいちキュンとしてしまう自分に腹が立つ。
夏希「…いいよ、なにすればいいの?」
私は、少しだけ期待をして返事をした。