第32章 不協和音
朝っぱらからモヤモヤを抱えていても、時間というのは規律正しく進んで行くもので。
···あっという間にお昼休みになってしまう。
道宮先輩の朝の勢いからしたら、このお昼休み教室にいたらいけない気がする。
影山···は、早くも食べ終わって机に突っ伏してる所を見ると、外へ誘っても絶対来ないよなぁ。
ま、いっか。
とりあえずは急いで外に出よう。
···道宮先輩に見つかる前に。
パッとお弁当の包みを掴み廊下へ飛び出すと、少し先に教室の入口にあるクラスが書かれたプレートを見ながら歩く道宮先輩の姿を発見した。
うわ···行動力半端ない。
でもここで見つかったら、朝の話の続きをされて騒がれちゃうし。
どうしよう···とにかくここから離れなければと道宮先輩から目を離さずに後ろに下がると数歩下がったところで声をかけられた。
山「あれ、城戸さんお弁当持ってどこ行くの??」
『山口君···と、月島君か···』
見上げればそこには、見慣れたツインタワー···じゃなくて、月島君と並んで立つ山口君の姿があった。
月「2人ワンセットみたいな言い方、しないでくれる」
いや、大概一緒にいるじゃん···とは、後が怖くて言葉を飲み込む。
怪訝に眉を寄せる月島君に苦笑を返しながらも、そこでちょっと閃いてしまう。
『私はちょっと···野暮用、かな?それより2人はどこにいくの?』
山「オレ達?お弁当食べる前に購買に飲み物買いに行くんだけど?···あ、もしかして城戸さんも?」
···それだ!!
『あ、えと、私もそっち方面に行く···だからさ、なるべく私が見えないように、せめて階段まで一緒に歩こう?』
月「見えないようにって、なに?探偵ごっこでもしてるの?」
『そこまでお子様じゃないから!···と、とりあえず急ごう?ね?お願い!』
月「ちょっと、なんなのホントに。意味不明なんだけど」
早く早くと2人の背中を押しながら、さりげなく道宮先輩から見えないポジションを歩く。
段々と近くなる道宮先輩とすれ違う瞬間までは気を抜けないと、思っていたのに。
ー 1年3組の城戸紡。至急、職員室の和泉まで。繰り返します··· ー
『えっ?!』
道「え?1年3組···城戸···?」
まさかの和泉先生?!
そしていま繰り返さないで!!