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【HQ】きらきらひかる

第1章 運命を変える出逢い


 追い掛けてくる男達を撒く為に、彼女の手を引いて全力で走った。暫くすると、上手くその二人組を撒けたみたいで、彼女を追い掛けて来る奴らの姿は見えなかった。


「悪い、大丈夫か?」
「…Yes,thank you.(ええ、ありがとう。)」


 男達を撒く為に全力で走った為、彼女はさっき以上に疲れた様子だった。


「なんで追われてんだよ?…あー、日本語分かんねえか。」


 くそ、こんな事ならもっとちゃんと英語も勉強しておくべきだった。いや、でも、外人に助けを求められる日が来るとは思わなかったから、仕方ねえ。心の中でそう言い訳をしたが、そんな言い訳も彼女には通じる訳が無い。


「…大丈夫、日本語出来る。」


 先程まで英語でしか話さなかった彼女は、外人とは思えないくらい流暢な日本語でそう答えた。


「私、月菜っていうの。あなた、名前は?」
「岩泉一。つーか、なんで追われて、」
「…ハジメ。ねえ、あんな所でつっ立ってたんだし、暇なんでしょ?ちょっと付き合ってよ!」
「え?お、おい!」


 先程まで俺が彼女の手を引いていたのに、今度は彼女が俺の手を引いて走り出した。


「私、日本初めてなの!案内してよハジメ!」
「いや、案内って、」


 俺も東京なんて滅多に来ないし、案内出来る程東京を知らねえし。つーか、追われてるのに悠長に観光なんかしててもいいのかよ?警察とか行った方がいいんじゃねえの?なんて俺の気持ちを他所に、月菜は楽しそうに笑顔を浮かべ、立ち並ぶ店に入ってみたり、あれが食べたい!あれをしたいと我儘の限り。それに文句を言っても、日本語よく分からない、なんて言って俺を連れ回す。


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