第1章 泣かないで…僕の愛しい人(蒼井)
『え……?今、なんて……?』
「だから、さっき言っただろ?他に好きな奴ができたからお前とはもう終わりにしたいって」
大好きだった彼からの言葉はあまりにも唐突で理解することができなかった。
『嫌だ……別れたくないよ……他の子が好きでもいいからあたしを一人にしないで!』
「……今まで何も言わなかったけどさ、彩花の性格って重いんだよ。」
彼のその言葉はあたしを鋭利な刃物で刺すように胸に突き刺さったような感じがした。
『………わかった……今までごめんね?』
『………じゃあな。』
そう言って彼は去っていってしまった。
『……う…ひどいよ……好きだったのに……あんなに一生懸命可愛くなろうとしたのに……』
彼に言われた言葉があたしの中でぐるぐるとうずまいた。
『………ひっく……うぅ……っ……』
ピリリリリッ
そんなときにあたしの携帯がなった
ディスプレイには『蒼井翔太』の文字
『翔太くん……もしもし……?」
〈もしもし、彩花?今大丈夫?〉
そんな優しい声があたしの耳に入ってくる。
『うぅ……翔……太くん……』
〈え、泣いてるの?!今どこ?〉
『○○公園……』
〈今行くから!そこにいてよ!!〉
そう言って電話が切れてから数分後に翔太くんは走ってきてくれた。
「はぁ……はぁ……っ……彩花!!」
『翔太くん…………』
「何が……はぁ……あったの?!」
肩で息をしながら聞いてくる翔太くんにあたしは思わず泣いてしまった。