第6章 実行委員
「清玲く~~ん♡」
「一緒に組もうよ~」
「私と一緒の班になろ~?」
「清玲君っ」
班決めになると、
俺の周りは女の子で溢れていた。
『あ、どうしよ~
決められないなぁ・・・
みんなでジャンケンしてくれる?』
とりあえず、自分の班は
この子たちに決めてもらっている間、
俺は、周りにはいない女の子を探していた。
あ・・・いた・・・
やっぱりその子は、俺なんて眼中になく
班を作っていた。
メンバーは、いつもの黒髪ロングちゃんと
まれに俺と心をシンクロさせるちっちゃい男。
・・・あの男は、
野蛮女とどんな関係なんだ・・・?
『・・・・・・・・・・・・・・・・・』
な、なんで俺があの女を気にしてんだ・・・?
やばいやばい・・・
あいつが変だから必要以上に気にしてしまっている・・・
はぁ・・・もうやめよ・・・
めんどくさい・・・
◆「・・・山田君っ・・・」
彼女の声は、何でか俺の耳に届く・・・
野蛮女は、ひょろっとした男に声をかけていた。
あ、あれは俺の隣の席の山田君・・・
いつも静かに授業を受けているイメージだ。
ぼーっとその光景を見ていると、
山田君を班の方に連れていった。
え・・・?
何だか、紹介してる・・・?
もしかして、一緒の班?
『・・・・・・はぁ・・・・・・・』
本当にあいつは、
俺なんてどうでもいいみたいだ・・・
なんで、俺がショックを受けてるんだろう・・・
なんかもう分からない・・・
少し前に会ったばかりで、
第一印象、最悪で・・・
ただ、あいつの秘密を少し知っているだけ・・・
それだけなはずなのに・・・
ふと、周りを見ると、
女の子たちが一生懸命ジャンケンをして
俺と一緒の班になろうと頑張っている。
・・・なんで・・・
こんなこと、嬉しいことじゃないか・・・
・・・だったら、なんで・・・・
・・・なんでこんなに・・・
空しいんだよ・・・・