第4章 秘密の理由
<清玲side>
『・・・・・・・・・・・・・・・』
◆「・・・・・・・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・』
『・・・なんか・・・喋れよ・・・』
◆「・・・・・・なに話せってのよ・・・」
衝撃の再会を経て、姉さんが「挨拶してくるから~」と
会場の中に戻ったため、野蛮女と2人きりとなってしまった。
野蛮女は、昼間とは一変、
グリーンのドレスを綺麗に着こなしている。
光沢のある素材で、グリーンの色も
色白な肌に良く映えて・・・
じゃねえ!(汗)
何を俺はじろじろとこの女を見てるんだ・・・
落ち着け・・・
一息ついて、野蛮女の方を向く。
『はぁ、お前・・・お嬢様だったんかよ・・・
なんで、あんな学校通ってんだよ・・・』
そう声を発すると、
野蛮女はチラリとこちらに見たあと
すぐに気まずそうに視線を変えた。
◆「・・・お嬢様ってやめてよ、
・・・あんたこそ坊ちゃんじゃない」
『・・・・。
坊ちゃん言うな・・・』
なんともキレのない会話が続く。
『で、なんであの学校通ってんの?
質問してんだけど?』
そう言って、顔を覗き込んで聞いてみた。
◆「・・・べ、別に・・・関係ないじゃん・・・」
・・・完全になんかあるって顔してんじゃん・・・
◆「・・・あ、あんたこそ、秘密にしてるんでしょ・・・
あんたと同じような理由よ・・・」
『・・・ふーん・・・』
俺は、「家のことがバレるとめんどくさい」
その程度の理由だ。
出来るだけバレないようにしたいが、
別に最悪バレても構わない。
本当にその程度。
『じゃあ、バラしてもいい?』
その言葉は、本心ではなかった。
だが、何となく野蛮女の弱みを握ったことが明確だったので、少し冗談を言ってみようと、そう思っただけだった。