第1章 季節外れの転校生
ガラッ!!
『・・・セ、セーフ・・・』
「あ、加奈子来た、おはよ~」
『・・・はぁはぁ、おはよ・・・唯ちゃんっ・・・』
この、一番最初に声をかけてきてくれた
真面目系 清楚女子は、島藤唯(シマトウ ユイ)。
学年の中でも1、2を争う美人。
「お!桜井~!!
今日もギリギリセーフな!(笑)」
この小さい男は相澤修二(アイザワ シュウジ)。
修二とは1年生から同じクラスで
何だかもう腐れ縁のような関係。
修二は、ニコニコ笑いながら、
私の肩をバシバシ叩いている。
痛い・・・
『ふぁ~・・・ねむ・・・』
ユ「わぁ、眠そ。相変わらず、朝は弱いね~」
唯ちゃんが私の顔を覗き込む。
『うぅ・・・眠い・・・』
私は朝が弱い・・・
目覚まし時計1つなんかじゃ起きれない。
シュ「・・・眠い眠いって、
早く寝ればいいだけの話だろ」
『まぁ・・・、そうだけどさ・・・』
修二に正論を言われると何だかカチンとくる。
ユ「昨日も夜更かし?」
『・・・う~ん、まぁ・・・』
ユ「ほどほどにしときなよ~」
『・・・はーい・・・』
いつも私は遅刻ギリギリだが、
昨日は普段よりも寝るのが
遅くなってしまったため、
今日は時計を見て飛び起きた。
朝ご飯なんて食べられなくて、
バタバタで家を出てきた。
・・・はぁ・・・お腹すいた・・・
シュ「・・・だけど、
桜井って絶対に遅刻はしないな」
急に修二が私の顔をまじまじと見ながら話しだした。
ユ「そうね、どんなにギリギリでも間に合わせるわね」
ふふふ、それはそうですよ・・・
『休むことだけは意地でもしないよ!
何度も言ってるけど、
私の目標は、“皆勤賞”ただ一つ!』
唯ちゃんと修二の前に指をビシッと突き出してやった。
シュ「皆勤賞って(笑)
桜井は志が高いんだか低いんだか(笑)」
修二に鼻で笑われる・・・
『うっさいな!私にとっては遙かに高い目標なの!』
ユ「あはは、分かったって(笑)
あ、先生来たよ。席戻ろ!」