第9章 大野くんの頭の中
「…っい。…おいっ!!やめろっ!!
その子に触るなっ!!」
俺は発進させた車をすぐに止め、
ちゃんの元に駆け寄った。
手で顔を隠すちゃん。
恐怖からか、体が震えている。
記者「大野さん!どういうことですか!?
お答えください!!
彼女とはどういう関係ですか!?」
記者「三角関係ですか!?」
「うるせえっ!!この子は…!!
この子は、お…櫻井翔の、
俺の大切なメンバーの、大切な彼女だ!!」
カシャカシャカシャカシャ!!
驚いたちゃんが
顔を上げたけれど、
俺はまっすぐ前を見たまま
マンションへと彼女を誘導した。
さすがにマンション内には入って来なかった。
「…泣かないでよ…。
ごめん。ごめんね。」
エレベーターで涙をすするちゃんを
なだめる。…惨めだ。
でも、あの時咄嗟に出てきた自分の言葉。
信じていきたい。
言い聞かせていきたい。
〜大野サイド終わり〜