第9章 大野くんの頭の中
着いた…。
朝になっちゃったよ。
朝の5時過ぎ。
マンションのチャイムを鳴らすと、
かなり響いて焦った。
「…はい。…大野さん!?」
「うん。開けてよ。」
戸惑いを見せながらも
君はオートロックを解除した。
翔くんは…いないよね?
エレベーターで部屋のある階に到着し、
チャイムを鳴らす。
ガチャ
「ただいま!」
「お、おかえりなさい。」
不自然に挨拶をして、
君の手を引く。
「旅行行こうよ!」
「え、私今日も
仕事が…!」
「大丈夫!俺が
電話しておくから!!」
早く。早く2人になりたいよ。
「なんで翔くんなの?」
「…ごめん、なさい。」
「なんで!?俺との時間は!?」
つい感情的になってしまった。
ちゃんの顔が強張ってる。