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【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~

第21章 戦争終了まで


セリシアside


「なっ!」

私はもちろん、デアルも驚いたようだった。
目の前から消えたのだ。
何かが空気を切り裂きながら。
その何かは、私の剣ではなくて、赤い紐のついた見覚えのあるあれ。
そう・・・。

「ジャーファルさん・・・。」

部屋の入口、ドアの前に立つのはジャーファルさん。
そばには赤いひもで縛られたウィリランデの王がいる。

「何しに来たんだ、ジャーファルさん。セリシア、話は尽いたんじゃなかったのか。」

「そう思ってたんだけど。」

なぜいる。
こんな、獲物を目の前にして止められることほど嫌な気分になることはないだろうに。

「あなたに人を殺させないために来ました。」

私を見て答えるジャーファルさん。

「だから、言ったよね。人殺しに命の大切さなんて教わりたくないって。」

「ええ、言われました。確かに私には資格がないかもしれません。ですが、だからこその言葉はありますよ。」

何言ってんの…?
さっき怒りは爆発したはずなのに。
また、イライラが募ってきた。
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