【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第14章 ついに暴露。
デアルside
「
その時、キユノ王国は自給自足だったのに、作物がうまく取れませんでした。
今思えば、それは忍び込んでいた敵軍の仕業だったのでしょう。
兵や民に十分に食べさせることができずにいました。
もちろん、私たちもそうでしたが。
それを狙ったのでしょう。
キユノ王国は、敵軍に攻められました。
島国は包囲され、全方向から同時に攻められた…そうです。
今から言うのは、聞いた話です。
見た話ではありません。
・・・大多数の敵と、兵力に自信はあるが、体力が万全でない兵士。
戦えば、いいえ、戦わなくても見えていた結果。
むざんにも、死なせてしまった。
王は、仲間だと思っていた者の死に、古い魔法を思い出しました。
大魔法でした。
一言で内容を説明するのであれば…。
自殺魔法。
島国とその周辺を、無に還す・・・。
悲しい魔法です。
生き残っている魔導師でその魔法を唱えました。
その魔法は、一瞬ですべてを無に還しました。
・・・でも、本当に無に帰っているかはわかりません。
この話は、王が生きた最後に伝えてくれました。
王は、俺たちに通信器具を渡してくれていたのです。
魔力で通信できるそれは、可能な限り、国の最後を見せてくれました。
父の言った話、敵軍の紋章、破滅直前の国・・・。
いろいろな角度で物を見せてくれました。
そして・・・俺たちは国に帰らず、旅をすることにしました。
安全な場所を求め、復讐するために。
生きるために。
」