第4章 1st Night 【フェンリル・ゴッドスピード】※R-18
「んんっ……んぁ……っ」
唇が解放され、レイアの耳元でフェンリルが囁く。
「ごめん…もう、手加減できねーわ…」
「あ…あぁっ……ぁ…ああぁっ!!」
力いっぱい最奥を貫かれ、だんだんと快楽が昇り詰めていく。
「……ぁ…フェンリル…フェン、リルぅ……っ」
「……も…だめだ……イクぞ…」
フェンリルがそう告げると
二人の身体が青白く光を帯びた。
「あぁっ……あ…あああっっ!!」
レイアの身体が大きく反り返り
フェンリルの白い欲がレイアへと注がれていった。
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東の空が白み始めた頃
ヨナは赤の兵舎前から、馬車に乗り込んだ。
「ちょっと急いでよね…アリスを待たせているんだから」
御者にそう告げたヨナの声は少し苛立ちを含んでいた。
正直こんな朝早くに迎えに行ってもおそらくレイアは寝ているだろう。
しかし
夕べの別れ際に見た不安げな彼女の顔を思い出すと
ヨナはじっと日が昇るのを待つことができなかった。
「まったく厄介な儀式だな…」
馬車の中、一人苛立ちながらヨナは呟いた。
月小屋に着いた頃、空はかなり明るくなっていた。
ヨナは月小屋の玄関前で扉を叩く。
「レイア、起きてる?俺だよ」
返事はない。
ヨナは扉に手をかけ、ゆっくりと開けた。
「レイア?」
薄暗い室内。
ヨナは中へ入る。
部屋の中央に鎮座した大きなベッドの上。
乱れたシーツとクッションの中に
レイアはすやすやと眠っていた。
薄いピンクの夜着から、滑らかな足がのぞく。
(…なんなの……この無防備な格好は)
ヨナはその足に触れそうになり、はっと我に還る。
「…レイア、レイア起きて」
「……んん…」
伏せられた長いまつげが揺れ、ゆっくりと目が開く。
「……ヨナ…」
ヨナは優しい笑みをこぼし、レイアの髪をかきあげる。
「迎えに来たよ。さ…支度して」
「……ん…」
ゆっくり身を起こすとさらさらレイアの髪が流れ
白い鎖骨のラインが色香を醸し出す。
(ちょっと……)
ヨナは直視することができず背を向けた。
「は…早く着替えなよね…」