第2章 イントロダクション【ブラン・ラパン】※R-18
「…よかった、やっぱり君はまぎれもなく『アリス』だ」
ブランはぐったりと横たわるレイアの髪をかきあげた。
「……」
レイアはうつろな眼差しでブランを見上げる。
「最後、発生したあの青い光が魔法…今一時的に僕は魔法を弾く力を得ている」
思考が回らない。
ブランの言葉が頭の中にこだましていく。
「明日から黒の軍の幹部が一人ずつここを訪れる。
君は…
今のように幹部たちへ魔法の力を分け与えてほしい。
そして5人の幹部の中でレイアが気に入った相手を…
6日目の夜にもう一度指名するんだ。
それが終わったら、赤の軍と交替になるよ」
やっぱりそういうことなんだ…。
ぐったりした身体と朦朧とした意識の中で
レイアは絶望と諦めを巡らせながら、目を伏せた。
「君の初めてを奪ってしまって…本当にすまない」
ブランの言葉は
先ほどまでの行為とは裏腹に
とても優しく慈愛に満ちていた。
「明日の朝、赤の兵舎に送り届けるよ。
…黒の軍が月小屋の主人をしている間は、赤の軍は決して手出しはしない。安心して過ごして」
ブランはレイアの髪を撫でながらそう言うと
うなだれた彼女の横顔にキスを落とした。
レイアはそのまま
意識を手放し眠りに落ちていった。