第2章 親睦を深めよう作戦
「それよりも、です。噂が毎年だというのは本当なんですか?リヴァイさん。」
「あぁ。死ぬ前に子孫でも残そうと本能的に思うのか知らねぇがな。まるで恒例行事だ。」
ふん。と鼻で笑うリヴァイは、飲み干した紅茶のカップをお盆へと戻した。
「じゃぁ、リヴァイさんもそんな事思うんですか?」
「あ?」
「あ、いえ。何でもないです。」
何も考えずに発してしまった自分の言葉が、とても失礼だったと気づいたアイリーンは、リヴァイのいきなり低くなった声に身体を強ばらせた。
急いで前言撤回してからリヴァイの方へと視線を向けると、リヴァイもアイリーンの方を見ていた。
ヤバイ、怒らせてしまったかも。
数秒の沈黙が、部屋の時間を止めたように思えた。
「えっと、私そろそろ部屋に戻りますね。」
少しの沈黙にも耐えられず、アイリーンは飲み干した紅茶のカップをお盆に乗せた。
アイリーンが立ち上がっても、リヴァイは言葉を発しない。
こ、怖い。何この沈黙!
早く部屋へと帰りたい……!
「カップは私が洗っておきますので。では、」
「待て。」
失礼します。と言葉を続けて何事も無かったかのように部屋を出ようとしたアイリーンを、リヴァイが引き留めた。
ガシッと捕まれた腕は、じわっと熱を持ち始める。
「な、何か……?」
「まだお前の質問に答えてねぇ。」
何故蒸し返すのリヴァイさん!
アイリーンはさっきの質問に答えたくないから、リヴァイの機嫌が悪くなったのだと仮定していた。
なのに何故蒸し返してくるのか、アイリーンには分からなかった。
「い、いいですよ答えたくないでしょうし!変なこと言ってすみませんでした!」
わたわたと取り乱すアイリーンを、じっと見つめたまま、リヴァイは動かない。
勿論、掴んだ腕も離しはしない。
謝っても何も変わらないこの状況に、アイリーンは益々混乱していった。