第6章 守りたい人
「あらー、急所外したか!」
「嬢ちゃんの方から 死にたいらしい。1発で死ねなくて悪かったな。次こそ死なせてやるよ。」
(なんなんだよ…)
何を言ってるか、全く耳に入ってこないし、頭の中はまだごちゃごちゃだ。
だけど、はっきりわかる事があった。
"俺は大切な人を守れなかった"
さっき、約束したばっかりなのに。
(俺がソラを守るって 約束したのに)
ソラの荒い呼吸が聞こえてくる
頭の中は、もう、真っ白だ。
ソラにとどめをさそうと、またヤツらがクナイを振り上げた。
(何やってんだ、俺。大切な人1人守れないで、何が立派な忍者になりたいだよ。)
目から、あつい何かが流れ落ちた。
「っ…。ソラ…。」
ぐったりとしているソラをしっかりと抱き抱えて 、これからくるであろう痛みに備えた。