第36章 私は
病室で待っていると、廊下が騒がしくなってきた。
急に開いたドアに、びっくりして振り返ると、第七班勢揃いだ。
「リク!調子はどう?」
「リクちゃーん!俺、すっげえ心配したってばよー!」
サクラがまず入ってくる。続けて入ってきたナルトは、ソラに抱きついた。
それを受け止めて少しよろめいた所をサスケに支えられる。
「おい、ナルト!そんな簡単にリクにくっつくんじゃねぇ!」
「こら!ナルト!リクの身体に響くでしょ!?」
「はいはい、みんなここ病院だから。静かにしなさい。俺が怒られちゃう。」
四人のやり取りを聞いて、安心する。
いつも通りの、第七班だ。
『みんな、心配かけてごめんね。来てくれてありがとう。みんなが大好き…!』
そう言って嬉しそうに笑うリクを見て、サスケはほっと一息ついた。
「俺も、大好きだってばよ!」
「私も!」
「先生も好きだよー。」
「で、サスケちゃーん?どーなんだってばよ?」
突然の煽りに焦り、フイっと顔を反らすと、その他メンバーに盛大に笑われた。
「…なんだよ。」
『ふふっ。サスケ大好きよ!』
リクがそう言って笑うもんだから、こちらは恥ずかしくて仕方がない。
「…俺は帰る。」
サスケは逃げるようにして、病室を去っていった。
「あーらら。素直じゃないなぁ。」
カカシはサスケが出て行った扉に向かって呟いた。
「サスケくん、責任感じてずっと側に居たのよ。いいなぁ、私も倒れよっかなぁー。」
「サクラちゃんが倒れたら、俺がそばに居てやるってばよ!」
「うるさいナルト!」
「まったく、病院って言ってるのに。」
サクラの拳が、ナルトにクリティカルヒットする。
そんな二人を見て、ソラはまた笑顔が溢れた。
サスケだけじゃない。
サクラも、ナルトも、カカシも、また、同期のみんなが心配してくれていたんだ。
私は本当に、恵まれている。
サクラとナルトは、セイレーン発覚防止の為、同じ班でありながら面会謝絶であった。
その分話したいことも沢山あったらしく、窓の外が暗くなるまで話し込んだ。
すごく、楽しかった。
でも、胸騒ぎがした。
…私の悪い予感は、よく当たる。