第36章 私は
ナルトが綱手を連れ帰り、五代目火影が決まった。
それにより里はまた安定し、少しずつ発展をし始めた。
5代目火影となった綱手は、伝説の三忍と謳われる人物のうちの1人。
自来也、大蛇丸と共に先の戦争で活躍した人物だった。
そしてまた、最高の医療忍者でもある。
綱手の医療忍術により、サスケもカカシも元の通りになったのだが…。
リクだけは、治療をしても目を覚まさなかった。
「カカシ先生、サスケくんは?」
「あぁ、サスケは何時ものところだよ。暫くは任務にこないだろうね。」
「リクちゃん、大丈夫かな。
俺ってば、すっげー心配だってばよ…。」
今日も任務なのだが、イタチとの再会した日から、サスケはリクに付きっ切りで来なかった。
サスケがリクを誰よりも心配している事はみんな分かっていたので、何も言わなかった。
「それにしてもさ、俺もリクちゃんの様子見にいきてぇのに…。
どうして面会謝絶なんだってばよ!」
「そうよ…。私達も第七班、同じチームよ。
なんでカカシ先生とサスケくんは良くて、私達はダメなの?」
「まぁ、仕方ない。ほら、任務やるぞ。」
愚痴を言うナルトとサクラを宥めて、カカシは溜息をついた。
面会謝絶の理由は、セイレーンだとバレることを防ぐため。
しかし、カカシと火影以外に、サスケへの許可を特別に出してもらった。
…それは、リクの事は三代目から聞いていたからだ。
サスケとリク、つまりサスケとソラが幼い頃から共にいた事も、全て三代目から聞いていた。
(ま、2人には、誰が何をしようと切れない何かがあるんだろうな…。)
これ程までにサスケがリクに執着する理由は、やはりあのウチハの事件が原因だろう。
サスケは、大切なものを失う怖さを知っている。
そんな彼を一人、リクの側に置いておけば、彼は無茶をしかねない。
そんな事を思い、カカシは任務の後病室へ行こうと決めた。