第35章 知ってる
休みの日からまた何日もたった。
またずっと任務ばかりの日々だ。
里の復興はほぼ終わり、仕上げにかかっているところであろうか。
結局、あのデートの日から何もなかった。
どちらが謝ったりすることもなく、普通の日々を過ごした。
ただ、大きな心の壁を、互いに感じながら。
そんな中、サスケとリクはカカシに呼ばれた。
団子屋の前で待ち合わせとなり、早急にその場へ向かうと、其処には上忍達が険しい顔をして待っていた。
『紅先生、アスマ先生、こんにちは!!
あれ!?先生もう来てる!遅刻魔なのに!』
「カカシ、あんたが先にいるなんて珍しいな。」
「2人揃って同じ反応しないでよ…。ま、たまにはな。」
何かの気配を感じ、ふと店の中を覗くと、茶が2つ、団子が一つ置きっぱなしであった。
ちょうど3つって事は。
考えていた事は、サスケと同じだったらしい。
「オレは納豆と甘いもんはダメだぜ。」
『私は団子大好きです!』
「あ、今度は正反対なのね…。」
前なんて、サスケったら苦手なのに食べようとして…と、言いかけてやめた。
気づけばあの日のデートのことは、何故か互いに合わないようになっていた。
またサスケとの距離を、心の壁を感じ、凹む。
しかしその間に、紅とアスマはどこかへ行ってしまったのだ。
「ん!2人の今日の任務は、道路整備の手伝いだから!」
(何時もなら一緒に任務をやるか、遠くで見てるかなのに…。)
任務だけ伝えて立ち去ろうとするカカシの行動に疑問を持ち、思わず呼び止めた。
『先生手伝ってくれないんですか?』
「んー、ちょっと用事があるからね、じゃあ!」
具体的な事は何も教えてくれず、結局カカシはすぐに去ってしまった。
『…なんだったんだろ。』
「さあな。それより、はやく任務を終わらせて修行に…」
『うん。分かってる。頑張ろっか!
それにしても、アスマ先生と紅先生どこいったのかなぁー。』
私ととサスケは先生達の行動に疑問を持ちながらも任務に取りかかった。
木の葉崩しの際の修復作業はまだまだ終わっていない。
その手伝いも、木の葉の忍として立派な任務。
…といっても、Dランク任務でやりごたえがないのは確かだ。
与えられた仕事をすぐに終わらせ、修行場所へ向かった。