第34章 デートをしよう
「ま、リクが血継限界持ってるってことは分かってもらえた事だし、今日はこれで解散だ。
これからリクの噂が広がれば、恐らく、大蛇丸以外の奴らにも狙われる事になる。
だから、血継限界の話、絶対誰にもするな。」
「わ、分かったわ。」
「おう…!分かってるってばよ!」
「………。」
「じゃ、解散だ。サスケ、お前はついてこい。」
使命をすると、サスケは一瞬嫌そうな顔をしたが、黙って俺の元へやってきた。
仲間はずれにするなと騒ぐナルトをサクラに任せ、俺はサスケを連れて病院へと向かい、歩き始めた。
「何故俺だけを連れていく?」
「さあ。でも一番リクを心配してるのはサスケでショ?
目の前であんな事になったんだし、そろそろ頭も冷えたかなって。」
黙り込むサスケの背を押すことができればと、いつもよりも沢山口が動く。
正直、2人きりで話せるいいチャンスだと思っているからだろう。
「サスケ、リクはサスケの事を本当に大切に思ってる。
リクはきっと、どんなお前でも愛してくれる。
そんな奴がいる幸せ、忘れるなよ。
お前は1人じゃないんだ。ずーっとな。」
だから、復讐なんてやめて、リクと仲良くやっていけばいい。
それがサスケのため、リクのために一番良い選択だ。
サスケの復讐の理由は一族を皆殺しにしたイタチへの怒り、そして最も大切だった幼馴染を失った悲しみからだ。
ならば一つは、果たさなくていい目的だ。
なぜなら、サスケの幼馴染となっていた人は、今まさに病院で眠っているのだから。
「サスケを通すようには話をつけてる。
早く側にいってやれ。リクにとって、サスケは最も大切な人だ。
俺ら第七班やヒナタですら、代わる事のできないほどの、な。」
静かに空を見上げたサスケは、深呼吸をした後に駆け足気味で病院へと向かっていった。
そんなサスケの背中を、俺もにこやかに見届けた。