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大切【NARUTO】

第32章 日向





『みんな!無事ね!よかったー!』


ヒナタとキバ、テンテン、そしてヒナタの付き人のコウが私の声で振り返る。


「リクちゃん、ネジ兄さん…!父上も…。」


『本当、心配したんだから!』


「うん…ありがとう。」


ヒナタをきつく抱き締めると、ヒナタも抱き締め返してくれる。

大切な親友、守り切れてよかった。
でもこれは、みんなと力を合わせたからだ。

隣では、キバが出発前にネジを疑った事を謝っており、テンテンもネジも笑顔だった。


「リク様、私はコウと申します。
今回、ヒナタ様救出に力をお貸しいただき、有難うございました。」


コウが私に深く礼をする。
けれど、私はこの人と会った事がない。


(なんで私の名前を知ってるのだろう。ヒナタパパと同じでさ…。)


やっぱり答えが分からなくて首をかしげる。
それを見たコウはクスクスと笑った。


「リク様の事は、ヒナタ様からよくお聞きしてます。
ヒナタ様の一番の親友だとか。」


「もう、コウ!リクちゃんに直接言わないでよ…。父上もいるのに…。照れるじゃない…。」


「フフ…。でもこの事は、もうヒアシ様も知っておられますよ。」


ヒナタが顔を赤くしてヒアシの方を見ると、彼は穏やかな顔で頷いていた。


(なるほど、ヒナタがコウさんに話した事が伝わってたってわけだな。)


やっと疑問が解消され、モヤモヤが取れる。


『フフ、ヒナタったら!私も一番の親友だと思ってる!』


「うん…!ありがとう、リクちゃん。」


また一つ、ヒナタとの絆が深まった。


「さて、里に戻るぞ。」


ヒアシの言葉で、私はハッとした。
そうだ、大蛇丸が木の葉を襲撃している最中だ。


サスケは…仲間は無事だろうか。
ヒナタの事で頭が一杯だったが、それが落ち着くと、次は彼らの事で頭が一杯だ。


『すみません、私、先に戻ります!
ヒナタ、また今度団子食べに行こうね!』


私は瞬身を使い、一気に里に戻った。









「……リク、もう瞬身使えるのね。」


「全く、力量が計り知れんやつだ。」


「フフッ…だって、リクちゃんだもの。」


「俺たちも負けてられねぇな!な、赤丸!」



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