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大切【NARUTO】

第32章 日向





中忍試験、3次試験本戦。



既に始まりの合図があったにもかかわらず、出場者の中にはサスケとリクの姿はない。


(サスケくんは、本当に病院を抜け出したのかな。…連れ去られたりしてないよね?)


サクラの中にはある不安があった。
死の森での事件、サスケのアザの事。

修行の猶予一ヶ月の間、一度も彼に会う事はできなかった。
そしてまた、リクにも。


(リクも一緒ならいいんだけど。リクだって、特殊な力を持ってる…あの、銀色の髪、何だったんだろう。)


ナルトの試合はとても素晴らしいものだった。
この場にいない第七班のみんなにも、彼の姿を見て欲しかったと思う。

その時は一生懸命応援したし、二人のことは考えないようにしていたけれど。

シカマルの試合も終わったのに、まだ二人は姿を現さないのだ。

そしてまた、担当上忍のカカシの姿も。

リクの試合は、一回戦の相手が棄権したお陰でまだまだ先だ。

けれどサスケの試合は、今から。
今こないと、失格なのに。


(…まさか、本当に大蛇丸に連れ去られたわけはないわよね?)


病院に見舞いに行った時、すでに病室はもの抜けのからだった。
看護師に聞いても、外出許可は出していないというし。

悪い方向ばかりに思考がいく。

不安が隠しきれなくて、俯いていると、隣に座っているイノにポンポンと背を叩かれる。


「だいじょーぶよ!サスケくんでしょ?絶対来るわよ!勿論リクも!
どうせあの二人、何時もの事だから、一緒に修行してるんでしょ?」


「…そうね。サスケくんとリクだもん。」


そうだ。あれだけ彼を想うリクが、そう簡単に大蛇丸にサスケを渡すはずない。

そう思い込ませても、彼らが来ない為か不安が消えない。

観客もサスケはまだかとざわつき始める。

心配で心配で、なんとなく会場を見下ろした。




その時




会場の中心に、木の葉が舞った。




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