第31章 中忍試験・力
あの過酷な試験を潜り抜けた22名。
木の葉のルーキー達は全員通過した。
それから、リーの班、カブトの班、あの音忍たち、砂の3人衆。
人数が多いため、今からすぐに3次試験の予選を開始するとの話があった。
正直なところ、私は体に力はあまり入らないものの、寝ていただけあってチャクラはある。
カブトに治療して貰ったから、毒の処理は後でもなんとかなるだろう。
しかしナルト、サクラ、サスケはどうだ。
天の書奪取の戦いで、もうボロボロだというのに。
それにサスケは首に手を当てている。
…呪印が痛むようだ。
「サスケくん、この予選やめたほうがいいわ!」
サクラの勧告に私達は驚き目を向ける。
サスケの苦しむ姿を見てられないのだろう。
それは私だってそう。
だけど…
『サクラちゃん、サスケを止めないで。』
「…なんで!?私はずっと苦しんでるサスケくんをもう見たくないの!」
涙を流し訴えるサクラは、サスケの事を想っているからだ。
前の私なら、サスケの何を知ってるのというと思う。
だけどサクラの気持ちが本気だと知った今、そんな事は言えないし、サクラの気持ちも尊重したい。
「お前には関係ねーだろ。余計なお世話だ。」
そんなサクラの気持ちをよそに、サスケはサクラを切る。
『サスケ!今のはサスケが悪い!サクラちゃんに謝って!』
キッと睨むと、サスケは黙り舌打ちをした。
彼はこういう時、素直じゃない。
ありがとう、ごめんね。
この言葉を、私以外に言っている姿を見た事がない気がするほどに。
リクは大きく溜息をつき、サクラとサスケを交互に見た。
『サクラちゃん、私だってサスケが苦しんでるのは見たくない。
…だけど、サスケのこの試験の目的は、強い相手と戦う事。
それを無理に奪わないであげて…。
サスケもサスケよ。
どんな想いでここに立ってるかは知ってるし、止められて、カッとなるのも分かる。
けど、サクラちゃんを悪く言うなら許さないし、呪印が暴走するなら私は棄権を勧めるわ。』
止めはしないけど勧めもしない。
中途半端な意見だとはわかってるけれど、2人の気持ちを汲むとそうしか言えなかった。
そんなゴタゴタの中、一組目が表示される。
[ウチハ・サスケVSアカドウ・ヨロイ]
掲示板の文字に、私達は息を呑んだ。