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大切【NARUTO】

第30章 中忍試験・絆





サクラが髪を切り捨てた姿に、リクは目を丸くした。

髪を伸ばしていた理由は、恐らくはサスケに好かれるためだ。
それを切り捨て、立ち上がったサクラの強い覚悟が見えた。

まるで、私の後ろ姿を見ていてくれと、言っているようだった。


(…サクラちゃん。みてるよ。)


ザクに押さえつけられながらも、サクラの姿から目を離さない。

変わり身の術を駆使して、私を踏みつけているザクに攻撃を仕掛ける。

そしてサクラは、ザクにクナイを突き刺し、腕を噛んだ。


その隙に足元から逃げ、ただの布切れとなった服の代わりに、ケープを胸に巻きつけた。



サクラが懸命にみんなを守ろうと戦う姿に

私も負けてられない、私だってみんなを守りたい。

そんな気持ちが溢れるとともに、傷つきながらも戦うサクラを守れなかったという悔しさも募った。


『サクラちゃん!』


痛む身体を必死に動かし、サクラの元へ微力ながら加勢する。


「みんな…みんなを守らなきゃ。」


サクラが言い聞かせるようにつぶやき、どれだけ振りはらわれようと、またザクに向かう。

それに続き、リクも殴りかかる。

しかし、弱り切った女二人、たかが力は知れている。


「このガキィ!!」


ザクが空気砲を私たちに向ける。

サクラを庇いたい。
けれど、動ける力はほとんどなくて。
歌う気力も残っていなくて。

どうしようもなく、唇を噛む。

すると目の前に、颯爽と現れた3人組。
驚きで、サクラもリクも、目を大きく開いた。






「いの…」


『シカマルと…チョウジまで…。』


助けに来てくれたのは、猪鹿蝶だった。


「サクラ…あんたには負けないって約束したでしょ!
もちろんリク…あんたにもね!」





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