第27章 中忍試験・開幕
「歌神さん、バカなの?自分から喧嘩振ることないでしょ!?」
『あは、まーね。でも、私だって戦ってみたかったし。
まあ、名前を覚えてもらうだけで、今は十分かな。』
心配するサクラに笑って返し、サスケの様子を覗く。
拳を握りしめ、下を向いていた。
「サスケくん……」
「けっ…なーんだ。うちは一族も大したことねーんじゃねーの?」
「くっ…うるせー…次はあいつをのしてやる。」
サクラがナルトを叱責する。
しかし、ナルトは止めない。
「フン…。ぼろ負けしたくせによ。」
サスケはナルトを睨む。
まあ、それが事実なのだ。
それに、ナルトが言いたいことは、サスケの悪口ではない。
ナルトの足りない言葉をリクは付け足した。
『サスケ、リーさんの手、みたでしょ?
リーさんは毎日毎日、すごい特訓してるのよ、私達よりも。それだけよ。
…ね?ナルトくん?』
「うん。そういう事だってばよ!」
サスケの様子を伺う。
するとサスケは、一度拳を強く握り、それを離す。
そしてまた、ぎゅっと握った。
そして、ニヤリと笑った。
…いつものサスケだ。
「面白くなってきたじゃねーか…中忍試験、この先がよ!」
サクラもナルトもリクも、それに一言返事する。
「行くか!ナルト、サクラ、リク!」
サスケの声で、第七班は今度こそ指定された部屋へと向かった。