第27章 中忍試験・開幕
今日は朝早くの時間にカカシに呼び出され、サスケと共に集合場所へ向かう。
ついこの前にヒナタと沢山話して、サスケを振り向かせる決意をしたのだが、本人を目の前にするとどうしても意識してしまい、いつも通りの日々が過ぎ去っていく。
そんなある日、任務の後に買い物を済ませ家に帰ると、サスケに気になる話題を振られたのだ。
「砂の忍が、中忍試験とやらの為に、木の葉に来ている。」
という事。
中忍試験…。
第七班のメンバーは全員下忍と呼ばれるランク。
下忍の次が、中忍。
つまり、中忍試験とは、私達が受けるべき試験なのだ。
『やっぱり今日、中忍試験ってやつの話があるのかな。』
「さあな。だが、中忍試験とやらに参加すれば、強いやつらと戦える。」
『そーだね!それは楽しみかもしれない!』
サスケの首に巻かれた包帯と、リクの腹部に巻かれた包帯。
それらを見るたびに、波の国でのことを思い出す。
そして、外の世界にはもっと強い人がいることを思い知らされる。
(中忍試験…。強い人と戦えて、サスケを守れるだけの力があるのかどうか試すことができる。良いチャンスじゃない。)
出れるものなら出たい。
強い人と戦いたい。
自分が強くなっているか、確かめたい。
全ては、サスケの為。
拳に力を込め、気は早いが気合を入れていると、サスケに頬をつねられた。
『いっ…いひゃい!』
「ククッ…。そんな顔ばっかしてたら、里一の変顔になる日はそう遠くないな。」
『…分かってるわよ。私よりも、春野さんやヒナタの方が可愛いもの。いつだって私は変顔よ。』
冗談ってわかっていてムキになる私は本当にバカだ。
分かっているけれど…
少し、ほんの少しだけ、心が痛い。