第26章 親友
ヒナタはぜんざいを食べる手を休めた。
「…私、ナルトくんに何とも思われてないの、分かってる。
それでも、憧れの人だから…。
ナルトくんみたいに強くなりたいから、認めて欲しいから…。
だから私は、辛くても頑張れるの。
リクちゃんだって、きっとそうだよ。」
『ヒナタ…。』
「大丈夫だよ、きっと。
好きな人の為なら、頑張れる。
…ナルトくんに認めてもらえるまで、頑張るよ、私。」
そういうヒナタは、何時もの気弱な感じと対照的に、とても強く見えた。
恋愛に関しては、ヒナタは大先輩なのだ。
ナルトに認めてもらう為に、必死に努力している。
『…私も、出来るかな。ヒナタみたいに…。』
「うん。リクちゃんなら、私なんかよりも。」
『…私"なんか"って言わないの。』
「あっ…ごめん。」
そう言って2人で笑いあう。
ヒナタのおかげで、なんだかスッキリした。
恋の大先輩であり、親友のヒナタ。
ヒナタがいなきゃ、…ダメだった。
彼女と友達になれた事を、本当に良かったと思う。
(そうだよね、"ソラ"の身代わりじゃなくて、"リク"として、見てもらえるように、強くなればいいんだ。)
そう心に決めて、二カリと笑った。
「いつものリクちゃんに、戻ったね。」
『うん、ヒナタのおかげで!…さっ!続き食べよ!』
2人の恋する少女の笑い声が響く。
ひたすら真っ直ぐな恋心。
いつか花を開かせたい、想い。