第17章 お揃いと事故
「おい!落ち着け!しっかりしろ!」
サスケの声が聞こえる。
それと重ねて、もう一つ、声が聞こえてくる。
幼い、誰かの声。
((…クラスメイトが、大切な人とするものだって言ってた…))
幼い少年に、いつか言われた台詞。
大切な人だった気がするのに…。
(いつ、誰に言われたの?聞いたの?思い出せない…!)
頭が痛い、吐き気がする。
呼吸も儘ならない。
……助けて。
『ゔぅ…。サ、スケ。あ、頭が…っ』
サスケにナルトが一番かと聞いた。
サスケの答えを聞く前に、リクの心が『違う』と答えた。
(なんで、そんな事知ってるの…?)
ガンガンする頭では何も考えられない。
落ち着け、落ち着けと念じていると、ふわりとサスケの匂いに包まれ、その匂いに安心した。