第16章 巡る季節
そして月日は流れ、アカデミーの卒業試験。
課題は分身の術。
それをサラッとクリアし、リクは見事額当てを手に入れた。
『…サスケ!テストどうだった?』
先に試験を終えたリクは、サスケに問う。
「当たり前だ。」
そう言って額当てを見せつけるサスケは、クールに振舞っているが、どこか嬉しそうで。
『ふふっ!やっと、だね!』
そう言って互いの拳を合わせた。
サスケがどうして早く忍者になりたいかは、聞いた。
"ある男を、殺すこと"
それが誰かはまだ教えてくれないけど。
セイレーンである事を伝えてないから一緒、よね。
どれだけ信頼してても、言えない事はあるもの。
けど、この"誰か"が、私からサスケを奪うキッカケになるなんて、思ってもいなかった。
この時の私は、この"誰か"が、私にとってどれだけ大切な人なのか、知る余地もなかった。
そして、私の秘密が、もう一度私とサスケを繋ぐ力になるなんて、思ってもいなかった。