第1章 始まり
この物語の始まりは
うちはソラが3歳の時。
ある事件が起こったことがキッカケとなる。
父はうちは一族、母は歌神一族で、里を持たない流浪の忍であった。
歌神一族である母は、ある特殊な血継限界を持っていた。
気持ちを乗せて歌うだけで、周りに様々な影響を与える、というもの。
チャクラも要らない。
ただ、気持ちを乗せて歌うだけ。
人々は、母とまたその一族のことを恐れ
俗にセイレーンと呼んだ。
セイレーンとは、上半身は女、下半身は鳥。
"歌で相手を魅了"し、船を沈めたり、遭難させる海の魔物である。
セイレーン、つまり歌神一族はその特殊能力の為、実験体として、また兵器として連れ去られ、殺された。
その、唯一の生き残りであった母〈ハル〉
そして、うちはの父〈サクヤ〉
2人が出会い、結ばれ、授かった子の名前が
うちはソラ
であった。
うちはの血と、セイレーンの血。
この2つの貴重な血継限界を狙う者は少なくなかった。