第14章 散策
「お前、なぜ倒れてたんだ。元から里の人間だったのか、ちがうのか。もし違うなら、仲間の元へ帰らないのか?」
確かにこんな変な時期に編入生はおかしいと思った。
まさか里の外から来ていたなんて。
疑い深い顔で彼女に問うと、彼女はあり得ないような答えを返してきた。
『帰らないというか、帰れないのよ。
…私ね、昨日より前の記憶がないの。
仲間がいたのかなんて、分からない。
三代目に教えてもらうまで、名前さえ知らなかった。
まあ記憶がなくても、不憫な事は今の所ないけどね。』
サスケは嘘だと、言おうとした。
しかし、リクがあまりにも悲しげに笑っていた。
孤独を感じている目をしていた。
だから、本当の事なんだと分かった。
(俺と同じ、孤独…。)
あの、全てを失った日が、少しだけ蘇り、サスケは眉間にしわを寄せた。