第9章 あの日
ソラは薄れる意識の中、2人の会話を聞いた。
「なんだそれ…ふざけんなぁ!!」
サスケがイタチに向かっていったが、腹を殴られて倒れた。怯えているのが伝わってくる。
(…多分父さんと母さんの前。サスケ…ッ!)
ソラは力を振り絞って、サスケに叫ぶ。
『サスケ…。に、逃げて…。』
「いやだ、いやだよ!ソラも一緒に…!」
『…はやく!!』
サスケは泣きながら立ち上がった。
そして、外へと駆け出す。
「…ソラ、後で迎えに来る。」
イタチはそう言って、サスケを追った。
もう、何も話す気力はない。
…迎えに来るとは、どういう意味だろうか。
2人が外へ走っていく音を聞いてから、ソラは意識を手放した。
(なんかなぁ…。一緒にいるって言ったのにな…。ごめん、サスケ。)