第15章 ガーネット
あなたの香りを感じた。
身体が脳がその香りに酔いしれる
「翔ちゃんが…好きだよ…」
もう一度唇が重なる。
温かくて柔らかくて…
溶けていきそうな程、気持ちいい。
「智くん…」
「とても…好きだよ…」
月灯りに浮かぶあなたは、壮絶に綺麗で…
まるでこの世の者じゃないように青白く、揺らめいていた。
「だから俺は…」
そっと俺の首筋に触れると、その手を滑らせて俺の頬を包んだ。
「智くんっ…」
頬を包む手を掴んで引き寄せた。
抱きしめると、あなたの香りが俺を支配する。
「いいの…?」
「うん…」
「俺と一緒に、堕ちてくれるの…?」
「いいよ…翔ちゃんなら…」
あなたの腕が俺の身体をキツく縛めた。
「どこまでも…堕ちようよ…」
体温が…声がぬくもりが…全て俺に向かって落ちてくる。
抱きしめたまま起き上がると、あなたは俺の服を脱がせた。
「きれい…翔ちゃんの肌…きれい…」
顕になった肌にキスを落とすと、微笑む。
徐々に解けていく糸のように…
纏う物のなくなった俺の身体は、素直にあなたを求めた。
身体の奥底からあなたが欲しいと叫ぶようにその身体を抱きしめると、心が温かいもので満たされた。