第3章 萌葱-moegi- scene2
「はい、オッケーです!」
カメラマンさんの声で、撮影が止まった。
「大野さん、相葉さん上がりです。お疲れ様でしたーっ」
アシスタントさんの声で、今日の撮影が終了したことを知った。
「あれえ。もう終わりなんだ」
「もう…聞いてなかったの?リーダーったら…」
くしゅっと髪を撫でられて、やっとこれから自由時間なんだって理解した。
「聞いてなかった!」
「しょうがないなあ」
「相葉ちゃんだってきいてなかったんじゃないの?」
「ぎく」
「ほーらー…」
「お…俺はわかってましたよお…?」
「うっそだあ…」
「嘘じゃないもんっ…」
今日は都内のスタジオで、雅紀と二人でグラビアの撮影だった。
いっぱい写真を撮られて、魂まで抜かれそうだった。
控室まで戻ったら、なんだか疲れが一気に襲ってきた。
「ふにゃあ…」
「どうしたの?」
「なんか疲れちゃった…あ」
「ん?」
「ううん。なんでもない」
俺がここで疲れたって言ったら…紅白の司会が決まった雅紀なんか、もっと大変なのに…
おまけにレギュラーも何本も抱えてるし、俺なんかよりも何倍も何倍も大変なのに…
いつも笑顔を絶やさない。
すごいなって思う。
尊敬、してる。