第14章 ライム
激しく身体を揺さぶられながら、揺れる視界に見えるのは俺の握りしめた手。
その手の上に、相葉さんの手が重なった。
「も、イく…」
呻くように言うと、今まで以上に激しく揺さぶられて
「ああああっ…」
「ニノっ…」
「やっ…ああああっ…」
内臓が引きずり出されるかと思うほどの痛みが来たと思ったら、相葉さんの動きが止まった。
びくんびくん俺の中で脈動する相葉さんから熱が広がる。
「っ…あ…ニノぉっ…」
握られた手が熱くて。
耳に響く声が熱くて。
「あいばさ…」
勝手に出て来る涙を拭うこともせず、その熱を感じた。
「ごめ…ごめん…ニノ…」
「あいばさ…」
「ごめん…」
「ぎゅって…」
「え…?」
「ぎゅって…して…?」
こんなに痛いのに…
離れて欲しくない
このまま繋がっていたい
だって、ちくんってするから
胸の奥が、ちくんって…
相葉さんがうしろから俺のことぎゅうって抱きしめてくれた。
ぎゅうううって、隙間もないくらい抱きしめてくれた。
「もっと…」
「うん…」
もっと、もっと、もっと…ぎゅってして…
俺から離れないで
「ニノ…俺…」
俺から出て行かないで
ちくんの正体…
わかっちゃったから、離れないで…