第14章 ライム
ぎゅっと俺のこと抱きしめたまま動かないから、背中をぽんぽんしてたら、だんだん力が緩んできた。
「言ってみ…?なんかあったんだろ…?」
身体を離して顔を覗き込むと、ちょっと目を逸らされた。
心臓が、ちくんとした
「ん?」
なんだこれ…なんで、ちくん?
「ニノ…」
やっと俺と目を合わせたと思ったら、顔が近づいてくる。
「え…?」
唇が重なった。
「ちょっ…」
突き飛ばそうとした腕を掴まれて、逃げられない。
「ん…」
重なるだけの唇から舌が出てきて、無理やり俺の口をこじ開けようとする。
「ちょっ…と!何してんのっ!?」
なんとか腕を振りほどいて、思いっきり肩を押して身体を離した。
「わかんない…」
「は…?」
「俺、何やってんだろ…」
また顔が近づいてきた。
「や…」
腕を突っ張って防ぐんだけど、やっぱり力じゃ敵わなくて。
また唇が重なった。
「やめ…」
もがいても離してもらえなくて。
これって…キスしてんだよね?
なんなの…なんなの…?
さっきまで冷たかった手足に、一気に血が通って。
身体がなんだか熱くなってくる。
心臓がバクバク音を立てて、うるさい。
やば…
ちょっと、気持ちいい…