第14章 ライム
「開けろよ」
ドアの向こうから静かな声が聞こえてきた。
スマホの着信音は鳴り止まない。
「居るんだろ?ニノ…」
諦めてドアを開けた。
「…なんなの?」
「いいから、入れろよ」
スマホをいじりながら俺の部屋に入ってきた。
着信音が途絶えた部屋のなかは、しんとしてて。
ソファにぼすっと座ったまま、相葉さんも何も喋らなくなった。
「…なによ」
言ってみるけど、こっちを見ようともしない。
「今日悪かった」
「は…」
なに今更謝ってんのよ…
「あのねえ…」
もう何から言ってやればいいんだ。
何なのこの人…!
「それだけ」
「え?」
相葉さんは立ち上がると、さっさと部屋を出ていった。
「…なんなのよ…」
なんか元気なかったけど…
去って行ったドアを見てたら、胸がちくんとした。
「ん?なんだこれ…」
結局その日は、なんか萎えちゃって…
普通にシャワーをして寝てしまった。
次の日、マネージャーに起こされるまで爆睡してしまった。
ぼけーっとしてると、マネはワタワタしてる。
「なんなのよ…」
「えっと、通達がありまして…」
「ん…」
ベッドの上で頭がまだボケッとしてるから、座り込んでマネを見ていた。
ちょっと言いにくそうに、マネは俺に言った。
「相葉さんの記事が、来週発売の週刊誌に載りますんで…」