第14章 ライム
ほんと…もう…勘弁してよっ…!
なんとかその日のライブは乗り切った。
俺たちが風呂でしてたことは、結局大野さんを通じて、速攻全員にバレた。
あのおじさんに秘密を黙ってるってことはできないんだ…
だから、なんだか知らないがMCが腐っててさ…
翔ちゃんノリノリで俺たちを煽るし。
”くっついてくれたら嬉しい”とかさ…
意味わかんねえよ…
一応、表面上は平気なフリしてたけど、かなり無理して強引に乗り切った。
UBの時は、心を無にして乗り切った。
じゃないともうぶん殴りそうだったし…
結局なんやかやくたくたになって…
そのまま、ドームで晩飯食ってホテルに戻った。
いつもはドアストッパーしたまま暫く過ごすんだけど、誰にも会いたくなくて。
ドアストッパー外して、ベッドに倒れ込んだ。
「あ…シャワーしなきゃ…」
ドームで風呂入って来れば良かったんだろうけど、もうあんな寸止めされたから、ちょっと俺は滾ってて…
「抜きながらシャワーしよ…」
ベッドから起き上がった瞬間、スマホが鳴り出した。
尻ポケットからスマホを出すと、顔が歪んだ。
「うえ…」
相葉さんからの着信で…
出ないでおこうと思って立ち上がったら、どんどんと部屋のドアをノックする音が聞こえた。