第13章 ピスタチオ scene3
頭の中が真っ白になった。
「な…なにをおっしゃってるんですか…?」
「ん?」
「ちょっと待って…」
落ち着く時間をくれ…
「俺さ、ほら…この世に還ってきたばっかりだからさ…ちょっとほら、ついていけないっていうか…」
「ああ、問題ない」
智はさらっというと、俺の身体を抱き上げた。
「俺は愛、育てちゃったから」
いやいやいや待ってくれ!
「おまえが居ないと、俺、生きていけない」
「へっ!?」
真面目な顔していうから、何も言えなくなった。
智はそのまま俺のこと運んで寝室に入った。
自動で灯ったフットライトが、ベッドをぼんやりと浮き上がらせた。
いつもソファで寝ちゃうから、俺と居る時以外はこのベッドでは寝ない。
ここんとこ、智の家にくることがなかったからシーツも綺麗に整ってて…
その上に、そっと寝かされた。
「…だから…」
俺に覆いかぶさってくると、小さな声で呟いた。
「おまえと、セックスしたい」
ま…待って…
俺、心の準備なんもできてない。