第11章 珈琲色
「んっ…んぅ…」
風呂場から、和也の微かな声が聞こえる。
「…なぁにやってんだか…」
今日は和也が休みだったから、帰ったらすぐ抱けるように準備しとけって言ったけどさ。
先に盛れとは言ってない。
リビングには下剤の箱が出てたから、もう中身は出しちゃったんだろう。
最後に風呂場で中を綺麗に洗う時、いつも盛るんだから…
…せっかくだから見てやろうかな…
ぽいぽいっと服を脱ぐと、浴室のドアを勢い良く開けた。
「わあっ…」
案の定、手に最近お気に入りのおもちゃを持ったまんま。
「なにやってんの…?」
「あ…え…?」
「一人でイこうとしてたんだ?」
「えっと…その…」
もじもじと、おもちゃを自分の後ろに隠す。
もう見えてるっつーの。
「これ…智と使うとこ想像したら…その…」
「は?これ、俺が使うわけねえだろ…」
「だってっ…」
きっと潤んだ目を俺に向けた。
「こんなの智が買ってくるから!」
それは、双頭のディルドで…
間違って買ったんだ…
でもこれを見た和也は喜んじゃって…
間違えたって言ってるのに、お気に入りで毎日使ってる…
いや、だから俺は挿れねえし。
挿れさせねえし…