第11章 珈琲色
松「…え?この話って…こんな話だっけ…?」
ニ「だって…最後、俺たちのえっちで終わってるでしょ…?しかも、最後ほら…潤くんを襲おうとしてるとこで終わってるじゃん…」
大「ふうん…できなかったんだね。このお話のなかの俺たち…」
二「そうみたいだねえ…ってことは、まだ潤くん貫通してないんだ…」
松「かっ…貫通っておまえっ…なんてこと言うんだよっ!?」
三人はスマホであるサイトを眺めながら話している。
もちろんそれは稽古期間中にのさまじょが教えたものだ。
どうやら三人で、原作の話を読んだらしい。
自分たちでホモられてるのに読むなんて、仕事熱心にも程がある。
大「あー…もうすぐ俺の誕生日だし、もしかして貫通のお話書いてくれるのかな…?」
二「あ、そうなのかな…だったら俺、続き読みたいな…」
松「やっ…やめろよ!これ、作り話なんだからなっ!?」
そのやりとりを見ながらにたりとのさまじょは笑った。
の「きっと…みみまま先生が書いてくださるに違いないわ…」
二「え?なんかいった?」
の「いいえ…なんでも?」
ばさっとのさまじょが背中のしっぽを払って立ち上がった。
の「さ、大野さん行きましょう」
大「へ?」
の「お次はなまこ先生の台本ですよお…」
大「また俺なのおお!?もうちょっと休むうう!」
の「もう…なんのために前の回は櫻葉のお二人にお願いしたと思っているんですか!さあ!仕事仕事!」
大「やあああん!ニノ!松潤!助けてぇ!」
二「いってらっしゃーい(既にゲームしてる)」
松「俺、シャワーしてくるわ…」
大「あ…ああああ…おにぃ…」
の「さ、いきますよ?大野さん!」
ずるずると巨大なリスが大野を引きずっていく。
大「いやだ~~~俺は釣りにいくんだぁ~…」
の「NO!松崎しげる!それ以上焦げたら、もっと酷い役やらせるぞ!?」
大「ひぃぃぃぃ…」
大野の悲鳴は、いつまでも廊下に響き渡ったのだった。